橋口 孝夫

(1)高速中性子等検出器開発
(2)GEANT4等粒子線シミュレータを用いた検出器開発
(3)橋梁等非破壊検査用高速中性子イメージングシステムの開発
(4)小型中性子源を用いたシステムの材料科学・物質科学への応用(これから)

橋梁・高速道路などの公共インフラを構成するコンクリートとその内部鋼材の老朽化は,先進諸国が直面する切迫した社会問題のひとつとなってきている。理研ではこれら大型コンクリート構造物の内部非破壊検査のために,透過能力の高いMeV 領域の高速中性子を用いたイメージングシステムの開発を行っている。目標としている空間分解能は、厚さ50cmのコンクリートでcmオーダーである。本開発を進めるに当たって,実験的検討を行うのと同時に,モンテカルロ法による数値計算を用いた検討も併せて行い、効率化を図っている。
当システムは大きく分けて,(1)高速中性子源・輸送系,(2)測定試料,(3)2次元イメージング検出器から構成され,高速中性子源・輸送系として既設の小型中性子源RANSを用い,また検出器にはBC-408相当のプラスチックシンチレータに光センサとしてMPPCを組み合わせたものをアレイ状に配置して用いる予定である。大規模実験に先立って小規模な基礎実験を行い、コンクリートに本数の異なる鉄筋の入った試料で,本数の違いを識別することができた。また数値計算では,高速中性子源・輸送系にはPHITSコードを用い,得られた結果を用いた試料・検出器系のGEANT4の反応計算に使用し,実験と同様の結果になることを確認した。また、シミュレーションによる検出器形状の最適化を行った。現在,検出器をアレイ化した実験及びシミュレーションの準備中である。

《学位論文》
「集積型金属錯体及び分子磁性体における磁気的相互作用に関する熱力学的研究」2003年大阪大学 博士(理学)
指導教官:徂徠道夫教授(現:名誉教授)

《論文》

  1.  Heat Capacities of Quasi-two-dimensional hetero-spin honeycomb Magnets {NBu4[CuIICrIII(ox)3]}n and {PPh4[MnIICrIII(ox)3]}n (Bu = n-butyl, Ph = phenyl, H2ox =oxalic acid): high-temperature series expansion analysis. Hashiguchi, K. Asano, Y. Miyazaki, H. Tamaki, N. Matsumoto, H. Okawa, and M. Sorai, J. Chem. Phys. 119, 6856-6867 (2003).
  2.  Calorimetry of Low-Dimensional Magnets. T.Hashiguchi, Y.Miyazaki, K.Asano, H.Tamaki, N.Matsumoto, H.Okawa, and M.Sorai, Mol. Cryst. Liq. Cryst., 342, 185-192 (2000).
  3.  Calorimetry at Very Low Temperatures: Magnetic Phase Transition of the Five-Coordinated Copper(II) Complex, Cu(L-isoleucine)2(H2O). T.Wakamatsu, T.Hashiguchi, M.Nakano, M.Sorai, H.Suga, and Z.-C. Tan, Chinese Sci. Bull., 34(21), 1795-1800 (1989).
  4.  Heat Capacities of Rare Earth Isothiocyanate Heptahydrates, [M(NCS)3(H2O)6]H2O (M = Ce, Pr, Nd), at Very Low Temperatures: New Finfing of Magnetic Phase Transitions and Schottky Anomalies. T.Hashiguchi, M.Nakano, Z.-C. Tan, M.Sorai, and H.Suga, Thermochim. Acta, 163, 249-256 (1990).
  5.  「2次元磁性体における短距離秩序と熱容量」徂徠道夫,宮崎裕司,橋口孝夫,集積型金属錯体ニュースレター, 6, 4-5 (2000).
  6.  ”Magnetic Properties of Organic Materials” ed. by P.M.Lathi, Marcel Dekker, Inc.,New York (1999), Chap.23, pp.475-490. “Heat Capacity Studies of Organic Radicals” M.Sorai, Y.Miyazaki, and T.Hashiguchi.”

《学会一般 講演》

  1. 大型コンクリート構造物非破壊検査のための高速中性子検出器シミュレーション,日本物理学会第69回年次大会,発表予定 ,橋口孝夫,太田秀男,關 義親,竹谷篤,王盛,賈清剛,馬場秀忠,山形豊,広田克也,木野幸一,田中秀治,大竹淑恵.
  2. MeV領域高速中性子大面積イメージング検出器開発Ⅰ,日本物理学会第68回年次大会(広島),26aXZB-11(2013),橋口孝夫, 竹谷篤, 太田秀男, 岡田謙介, 広田克也, 馬場秀忠, 王盛, 山形豊, 大竹淑恵, 田中秀治, 木野幸一
  3. 有機磁性体AATMPラジカルの低温熱容量と反強磁性相転移およびガラス転移, 分子構造総合討論会(名古屋), 4pB10(1997), 橋口孝夫・宮崎裕司・梶原篤・蒲池幹治・徂徠道夫.
  4. 異種金属錯体{P(Ph)4[MnCr(ox)3]}nの熱容量と強磁性相転移,第32回熱測定討論会(筑波),A212(1996),橋口孝夫,宮崎裕司,徂徠道夫.
  5. 異種金属錯体{NBu4[MCr(ox)3]}n(M=Cu,Fe)の強磁性相転移,第30回記念熱測定討論会(豊中),P24(1994),橋口孝夫,浅野香,宮崎裕司,玉木尋子,松本尚英,大川尚士,徂徠道夫.
  6. 異種金属錯体{NBu4[FeCr(ox)3]}nの磁性相転移,第44回錯体化学討論会(1994), 橋口孝夫,浅野香,宮崎裕司,玉木尋子,松本尚英,大川尚士,徂徠道夫
  7. 9配位希土類金属錯体[M(NCS)3(H2O)6]・H2O(M=La,Ce,Pr,Nd)の熱容量と磁気相転移, 第25回記念熱測定討論会(豊中), 1101A(1989),橋口孝夫,譚志誠,中野元裕,徂徠道夫,菅宏
  8. 2核錯体[Ni2(en)4Cl2]Cl2の磁気熱容量,第38回錯体化学討論会(徳島),(1988), 橋口孝夫,徂徠道夫.
  9. 2核錯体[Ni2(en)4Cl2]Cl2の熱容量と気相転移,第24回熱測定討論会(東京),1217A(1988),橋口孝夫,徂徠道夫.”

《学会一般 ポスターセッション》

  1. MeV領域高速中性子大面積イメージング検出器開発,中性子科学会第13回年会,発表予定,橋口孝夫,太田秀男,關 義親,竹谷篤,王盛,馬場秀忠,山形豊,広田克也,木野幸一,田中秀治,大竹淑恵
  2. Magnetic Heat Capacities of 2d Antiferromagnets(5-CAP)2CuBr4, ICMM’96(Toyonaka),P9F, T.Matsumoto,Y.Miyazaki, T.Hashiguchi, A.S.Albrecht, C.P.Landee, and M.Sorai.
  3. Heat Capacities of Mixed-Metal Ferromagnets{X[MCr(ox)3]}n,(X=NBu4,P(Ph)4; M=Cu,Fe,Mn) and Spin-Spin Interaction, ICMM’96(Toyonaka),P5T, T.Hashiguchi, K.Asano, Y.Miyazaki, H.Tamaki,N.Matsumoto, H.Okawa and M.Sorai.
  4. 分子科学研究所研究会「金属錯体分子集合体の合成と物性」(1989).

1988/3 大阪大学理学部化学科 卒業
1990/3 大阪大学大学院理学研究科 無機及び物理化学専攻 修了
1990/4~2001/1 住友金属工業株式会社
2001/1~2003/11 古河電気工業株式会社 ファイテルフォトニクス研究所
2003/12~2007/5 古河電気工業株式会社 自動車電装技術研究所
2007/6~2011/6 金沢医院
2012/2~2012/7 理化学研究所 基幹研究所 超精密加工技術開発チーム 研究支援パートタイマー
2012/8~2013/3 理化学研究所 仁科加速器センター 延與放射線研究室 研究支援パートタイマー
2013/4~ 現職


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